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活動のきっかけ
20数年前
使われず荒れ果てた畑の開墾がはじまりました。
建物のなかでの仕事が苦手な自閉症や発達障がいの仲間たちが
心地よい風の中/夏の強い日差しの下/猛烈な風にむかって/刺すような寒さでも
草を刈り、石を拾い、堆肥をすきこみ、
土に少しずつ少しずつ命を吹き込んでいきました。
寡黙な農夫たちは、いつのまにか「あんたがいないと困る」と
みんなが思える素敵な働き手になっていきました。
しかし、種をまいたり、苗を植え付けたり、どうしても苦手な仕事もありました。
そんな時、無認可保育園の子どもたちが「芋ほりがしたい」と農場を訪ねてくれました。
春、6か所の保育園が、次々に農場にさつまいもの苗さしに来ました。
農場の畑は、子どもたちであっという間にさつまいもが植え付けられました。
障がいのある仲間たちは、苗が根付くまで、一生懸命水やりをしました。
秋、子供たちは、お父さんお母さんを連れてさつまいもを収穫にやってきました。
畑は、子供たちの歓声と障がいのある仲間たちの笑い声で、とても賑やかでした。
2011年、東日本大震災で原発事故が起きる前
特別養護老人ホームや認知のデイサービスに通うおじいちゃん、おばあちゃんも
この畑に遊びに来てくれました。
するとどうでしょう。
鎌を持ちだし、草取りがはじまりました。鍬を持ちだし、うね立てがはじまりました。
いなくなってしまって、みんなで探すと、隣の田んぼでイナゴ取りをしていました。
施設では、すみでじっとしているおじいちゃん、おばあちゃんたちでした。
一昨年、ここ「にんじん舎かたひら農場」の閉鎖を、にんじん舎が決めた時
この畑をなくしたくないと思いました。
原発事故から10年、にんじん舎から身をひいた今
制度や仕事や立場をこえ
野良仕事が持つ魅力を、みんなでまた活かしたいと思いました。
この畑に、再び子どもたちの元気な姿や
障害のある仲間たちの笑顔を取り戻したいと思いました。
「かたひらの畑活用会議」は、そんな思いや時間の中で
みんなの思いがつまったこの畑を、再びどう活かすかを考えることからはじめたのです。
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